部下の棚卸①と②というのを書きましたが、部下の成長段階に応じて、上司は対応の仕方を代えていく必要がある。
海軍将校の山本五十六の言葉は上手くこの点を捉えている。
①「やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、ほめてやらねば、人は動かず」
見習いに対する育て方を想定している。
先輩が一緒にくっついて仕事のやり方を見せて、ポイントや考え方などを伝える。
それをやらせてみて「うん!うまくできてる!」と承認する。
そんな段階。べったり時間を共有する。
②「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
⑴の段階のままやり過ぎると、部下は自分の頭で考えなくなる。
一人で仕事をする時間を大切にしながら、日々に起こってくる疑問や不安を聞きとめてやる。
何日かに一日は共同作業をしたり、毎日顔を合わせて話す時間をとるなどをして、
肉体的時間の共有は減らしても、心の共有は異体同心くらいの気持ちでやる。
まだ会話の中心は、聞きとめた後のアドバイスが大切になる。
ここでアドバイスと書いたのは、「これまでの考え方やり方から悩ませることなくはっきり示す」ことの方が大切という意味。
この期間の部下は与えられた情報の整理が付かず、自分がどうあるべきなのか指針が立たない。
このような気持ちが揺れる状態の時には明確なアドバイスほど心強いものはない。
③「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
仕事のポイントや考え方も理解し、自分の仕事で通用するという自信も育った。
「どうあるべきか」も考えられるようになり、ならば「自分は何をなすべきか」を描くようになってきた。
助言・アドバイスというよりは、共に戦う同志のように、自分の思考を伝え部下の思考を受け取る。
そんな会話が増えてくる。
注意点としては、この段階でも関心を持ち続けるということを怠ってはいけない。
時間の共有がほとんど出来なかったとしても、「部下がどんなことにぶつかって奮闘しているのか、
上司(自分)は何を考え、何をなそうとしているのか」を電話でもいいから伝え合う。
全体の繋がりの中で自分も頑張っていることを感じさせる。
そして部下が守っているもののおかげで、やれていることを感謝し、言葉で伝える。
追記・・・
人の能力というのは色んな方向性がある。
例えば、日常業務での技術であれば③の対応で、管理・経営になれば②あるいは①の
対応からスタートした方が良いこともある。
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